普段皆さんがお料理などで使う食用のオイルですが、オリーブオイル以外にもサラダ油・ごま油など種類はいくつもあり、一般的なイメージとしては圧搾機で搾りオイルを抽出するイメージが多いかと思います。何気無く日常から使っているオリーブオイルですが、オイルがどのように抽出されているか知らない方が多いのではないか?と思い、この記事ではオリーブオイルは一体どんな方法でオイルが搾取されているのか解説していいきます。
オリーブの収穫
まずオリーブオイルを作るためのオリーブの実の収穫について、伝統的ですが手掴み〜機械を使った収穫まで方法は様々あります。その中でも上質なオリーブオイルを作るためにオリーブの品質を守りながら、最も丁寧に収穫できる方法が「手掴み」になります。
手掴みの中にも色々な方法がありますが、収穫する地方によってその方法は変わってきます。竹などの棒でオリーブの枝を叩く方法、オリーブを収穫するための専用のクシを使った方法、実を一つ一つ枝から収穫するシンプルな方法などが主な収穫方法です。
オリーブの品質を損なわないためには人の手を使って収穫するのが一番ですが、効率や人件費問題を考え大農園になるほど機械化が進んでいるのが現実です。小さい農園ほど昔ながらの手掴みという方法で収穫しているため、オリーブの品質を守るという点ではとても良心的です。
昔の搾油方法
オリーブオイルの搾油方法で昔ながらの伝統的な搾油方法は、圧搾法と呼ばれる基本的な方法です。収穫したオリーブの実を石臼でひきペースト状にします、ペースト状にしたオリーブをフェルト生地のマットに敷いて挟み込み、圧力をかけていくことで固形・液状・水分に分離させます。分離した液体部分は水と油の比率が違うため二層に分かれます、上澄み部分がオリーブオイルとなる部分です。このオリーブオイルとなる油分を丁寧にろ過することで、不純物や水分と分離させてオリーブオイルが出来上がります。圧搾法といっても細かな製造方法は地域、文化、搾油所によって違うことがあルようです。
こちらの圧搾法といわれる製造方法はほとんどの工程で人が手作業をするため、製造効率はあまり良くなく、コストも高いと言われています。また、製造過程で搾油中のオリーブが空気に触れる時間が多いため、酸度を低く保つことが非常に難しいそうです。上質なオリーブオイルには酸度が低いことが絶対条件なので、現代ではこの製造方法はあまり使われていないようです。
※オリーブオイルの「酸度」について
現代の搾油方法
現代のオリーブオイルの搾油方法は、オリーブの実をペースト状にするところからオリーブオイルにするまでの工程を全て機械化した技術が中心となっています。この技術の革命によって、昔ながらの伝統的な方法で悩まされていた「重労働やコスト面」などの問題は解消されています。最新の設備によって、オリーブオイルが空気に触れることなく製造することが可能になったからです。
ただし、機械化が進んだ現代では新たな問題もあり農園や地域・企業によって製造方法を明らかにしていない場合があります。生産性やコストを重視しながらも品質を保てているのかなど、機械化したことによって消費者の目に見えにくくなった部分も大きく、疑問が解消されているのかは気になるところです。
「上質なオリーブオイルを作りたい」という生産者の気持ちは今でも様々な技術を産んでいます。今後も新たな機械化が進むことによって、さらに上質なオリーブオイルが製造されやすくなっていくことと思われます。
無濾過・ノンフィルターとは?
国内で販売されているオリーブオイルの中でも目にすることがありますが、ラベルに「無濾過」や「ノンフィルター」と記載されているオリーブオイルは、オリーブの”澱(オリ)”が残っている状態で販売されたオリーブオイルです。「澱(オリ)」はオリーブの実から搾りたてのものであれば独特の風味や味わいとなり好まれることがありますが、時間が経つにつれて酸化のリスクが高まります。
オリーブオイルの購入時「無濾過」「ノンフィルター」と記載があれば、長期間の使用は酸化が進んでしまうため早めに使い切ることをおすすめします。また、無濾過やノンフィルターが高品質というわけではないため、誤認識しないようご注意ください。
まとめ
今回はオリーブオイルの収穫から搾油までの製法について解説させていただきました。この記事に書かれていない製造方法もありますが、基本的な製法についてお話しさせて頂きました。
私たちの日常に何気無く取り入れられているオリーブオイルですが、その収穫方法や製造方法までは知らない方が多かったのではないでしょうか?現代でも伝統的な製法でオリーブオイルを作られている生産者も中にはいるようですが、やはり機械化が進む現代では機械なしでの製造は非常に難しいように感じられました。
※オリーブオイルの基礎知識についてはこちら
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